押し花は世界に広がる先端芸術になっている!

押し花

押し花作家から読み取る、驚きの世界・活躍の舞台

押し花と言えば誰でも幼いころに経験したことがある身近な世界。それがあまり知られていないところで世界的なステージにまで広がっていて、きちんとした協会までがある。押し花作家というジャンルまで確立されている。ネットショッピングでは、押し花のセット商品が売り出され、密かなブームにもなっています。

そういう現状を知っている人は、おそらく比率からすると少ないのではないかと思います。年齢にもよりますが、押し花と聞いて連想するのは、学校への道すがら拾った草花をノートのあいだに挟んで乾燥させたもの。けれども現代では、そんな次元とはまったく異なる、おしゃれで独創的な世界が展開されています。

たとえば日本を代表する押し花作家のS氏は、ふしぎな花倶楽部の会長であり、世界押花芸術協会の会長も歴任。さらにレカンフラワー協会会長、英国押花クラフトギルド名誉会員など、驚くほどの肩書きをもって、世界各地で活躍しています。

残念ながら押し花に関する詳しい情報は少なく、どのようにすれば押し花作家になれるのか、押し花作家の生計はどんなふうにして成り立っているのかなどをご紹介することはできません。しかしS氏の肩書きをみればわかるとおり、このジャンルにもプロがいて、活躍の舞台が世界にあることだけは確かです。

ボタニックアートを提唱しつつ、押し花をさらなる高見へ

押し花の世界を知る上でのヒントになるのでもう少し踏み込んで紹介しておくと、S氏は現在、「ボタニックアート」という広域なジャンルでの作家活動を提唱していて、その研究活動や創作活動をつづけ、ボタニックアートの普及に注力しているといったプロフィールをみることができます。

ボタニックアートの要素と含まれる概念
  • 押し花
  • ネイチャープリント
  • レカンフラワー
  • アルケミックアート
  • ネイチャーコラージュ
  • 押し花クチュール
  • フォトスタイル押し花
  • 花びらコラージュ

ちなみに上記のうちの「ネイチャープリント」とは、多種多彩な素材・形のものに、自由に絵柄を写し取り、デザインしていく新技法。「レカンフラワー」とは、自然界にある花や木を立体的に組み立てて乾燥させる表現手法。オブジェのような世界をつくることも可能です。

また「アルケミックアート」とは錬金芸術のことで、金属を素材・モチーフとした芸術表現。ジャンルとして確立されているその世界に押し花の芸術性と技法を融合させた考え方・創作活動を指します。

つまりボタニックアートとは、自然界にある天然の植物を生かし、すべてを作品の対象とした幅広い概念と創作活動のこと。押し花を筆頭にあらゆるものからヒントを得て、芸術としてのレベルを高めていこうとするものです。

また従来の手法や技巧に固執せず広範な視点をもつことで、無限の可能性へチャレンジしていこうという意欲的な姿勢がうかがえます。すでに押し花はネット通販で販売され、可愛らしいネイルアートのマテリアルになったり、ケータイ、スマホのデコレーションに用いられたりと大人気です。

この先、どこまで押し花ブームが拡大していくかは未知数ですが、作家になるための手がかりさえつかめば、確実にステップを上り詰めていくことができるでしょう。